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absinth氏『その人のこと』(幻想SF/FT,短編)

作品の主人公「私」は、老いた研究者から、古ぼけた鍵を譲りうける。鍵は、忘れ去られたような研究棟の、地下2階にある一室のものだった。暗い研究室には、氷の中で脈打ち続ける心臓があった。──本職が心臓外科医である作者の描く、幻想的なファンタジー。作中の心臓の描写は、背筋に粟が立つほど美しい。
■absinth氏ブログ『しんぞぉのおんな』→『その人のこと

以下感想、ネタバレあり。
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心臓が、夢を見る。
脳ではなく、心臓が夢を見る物語。

思考を司る器官が脳であることを知ってもなお、日本では「心の臓」という文字は変わらず、英語でもheartという語が心と心臓を表す。
緊張すると鼓動があがり、リラックスには逆の反応を示す。
誰もが、自分の胸郭から伝わる鼓動の反応を知っているから、心臓が、心につながっていると、直感的に感じているのだろう。

まして…。

作者は心臓外科医である。
この作品は、ブログに発表されており、読者は(たぶん)全員、作者が心臓外科医であることを知っている。
作者が、手術のさなか、鼓動だけでなく、目で直接、心臓が脈打つのを見る立場であることを知っているから、この物語への「実感」への信頼が深まるのだと思う。「科学」とは違う。「事実」とは違っていい。「共有される実感」=「ファンタジー」としての、「夢みる心臓」

心臓は、動物の体の中で、脈動によって命を現す器官。

作中、主人公である「私」は、心臓に恋をする。その命を、愛しむ。だが、物語は、ゆっくりとねじれて。



ラストシーン、世界に生きる全ての命を、心臓"が"愛している。

この部分は、旧版 の後に付け加えられた。たぶん、作者にとって、リライトする価値のある追加だったのだろうと思う。私個人も、旧版より、この版のほうが好きです……。
Amaba-Blogに感想を書いたときに了解とってますので、了解の取り直しは省略。とにかくお忙しい方なので(T-T)

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- オンライン小説に愛を/小説・文学

  1. 2005/12/01(木)
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